鹿沼土
赤城火山(群馬県)から噴出した、軽石の黄色風化物。園芸用土として一般的にその名が知られています。鹿沼土は赤城火山を要にして東方に扇状に分布し栃木県鹿沼市付近では地表下2m付近から厚さ1.5m程度の地層として、出現しました。直径数mm程度の丸みを帯びた鹿沼土がその形を留めたまま風化、粘土化し、アロフェンやイモゴライトが生成しています。鹿沼土は有機物をほとんど含まない酸性土で通気性、保水性ともに高いことが特徴です。1970年代のサツキブームにて、全国に知れ渡った代表的な基本用土です。
【鹿沼土使用例】 サツキやツツジ類、シャクナゲ、オモト、東洋ラン等の栽培、または挿し木、挿し芽用土としても使います。また他の用土と混ぜて排水性、保水性を高めるためにも効果があります。
基本の用土としては、通気性の好む植物に向き酸性度を嫌う植物には向きません。 【その他】 鹿沼土は水を含むと薄黄色から鮮やかな黄色に変わります。それを知っていれば水やりのタイミングが正確にわかります。
火山灰土なので黒土、赤玉土同様にリン酸の効きはよくありません。
より使いやすいのは硬質鹿沼土で、これはみじんを抜いた鹿沼土の水分含有量を減らし、形が崩れにくくしたものです。
又、粒をそろえた選別品「小粒:2~6mm」「中粒:6~12mm」「大粒:12~20mm」もあり、植物に合わせて使用できます。
赤玉土
更新世の火山灰風化物です。この土の多くは更新世間氷河期の亜熱帯性気候の下で発達したもので関東以西の洪積台地および丘陵地に主として分布します。(関東ローム層)特徴としては、関東ロームの中層にある赤土を乾燥させてから大粒・中粒・小粒に分けたもので無菌の弱酸性土で通気性、保水性、保肥性に富みコンテナ用土として非常に優れています。代表的な基本の用土です。
【赤玉土使用例】 一般に、粒径による土の使い方の目安は、
※5号鉢以下…小粒もしくは中粒
※6号鉢以上…中粒,大粒
また、他の用土と混ぜて通気性、保水性、保肥性を高める用土としても使えます。
赤玉土は弱酸性、通気性、保水性、保肥性に非常に優れていて、万能に近いコンテナ用土になっています。 【その他】 赤玉土は鹿沼土、黒土同様リン酸の効きが悪いのでリン酸分の多い肥料を施します。
赤玉土粒は「小粒:2~6mm」「中性:6~12mm」「大粒:12~20mm」位の大きさにてふるい分けしてあります。
注意したいのは、硬質赤玉土(焼き赤玉土)です。これは、山野草、東洋ランなどの栽培用で、アルカリ性で保水性、保肥性とも低く、赤玉土に似て非なるものです。軽石の代用として使います。
腐葉土
ナラ、クヌギ、カシなどの広葉樹の落葉を推積し、微生物の働きによって発酵、分解させたものです。特徴としては通気性、保水性、保肥性に富むうえ、微量要素を含み、微生物を活性化して土質をよくする代表的な有機質土壌改良材です。
【腐葉土使用例】
腐葉土は改良用土です。他の用土と混ぜる用土です。代表的な物は赤玉土+腐葉土ブレンドはコンテナ用土の基本です。
【その他】
腐葉土は完熟品を選ぶことがポイントです。未熟なものは葉がまだ茶色で形もそのままです。こういう未熟な腐葉土は土の中で発酵し、根を傷める原因になります。特にマツなどの針葉樹はよくありません。
培養土
更鉢植えの植物は根の発達が制限されるので通気性がよく水分や養分を十分保持できる土壌を用いないと生育が悪いです。そのため、コンテナ栽培では土壌をそのまま用いるのではなく、土壌改良材などと混合し、肥料を混ぜ、酸度調整も行った栽培用の土です。用途別、植物別に種類が充分発揮できるよう基本的用土に調整剤や改良材を混ぜ合わせた用土です。 【培養土使用例】 一最近では観葉植物の土、洋ランの土、草花の土、サボテン、山野草、プランターの土などと特定の植物向けの専用培養土が多数あります。 【その他】 培養土は清潔なうえ無菌で酸度もPH値5.5~6.5の弱酸性に調整され、対象植物の栽培に適するように工夫してブレンドしたものなので安心して使うことができます。
土壌改良剤
土壌の物理的、化学的、生物的な諸条件を改良して、植物の生育をよくするものです。物理的条件の改良とは、土壌の団粒化による透水性、通気性の改善になります。化学的条件の改良とは、土壌の酸性矯正、特殊成分の補充、有害物質の不活性化や除去。生物的条件の改良とは土壌生物の活動の制御です。腐葉土などの有機系のものと、パーライト、バーミチュライトなどの人工用土があります。 【土壌改良材使用例】 よく使われる改良用土 ・腐葉土…花壇などの土壌改良に使います。土を柔らかくし、通気性を良くします。
・ピートモス…ミズゴケなど水生植物が堆積し、長い期間を経て、泥炭化したもので、軽くて水はけ、水もちが良いです。またアルカリ性土のPH値を下げる事にも使用できます。
・パーライト…真珠岩を粉砕して高温で焼成させた人工用土で、水はけ、通気性に良いです。
・バーミキュライト…ひる石の粉末を高温高圧で焼成させた人工用土。通気性、保水せいに優れています。
・くん炭…稲のもみ殻を炭化させたもので、通気性、保水性が高まり、根腐され防止効果もあります。
・ゼオライト…多孔質の石で保肥性があり、根腐れ防止に使います。 【その他】 土壌改良材は基本用土(単体用土)に対する欠点を補う用土です。
肥料
植物の必要とする養分を供給したり、土壌の条件を改良して植物の生育を増進し生産性を高めるために土壌に使用したり、植物に直接散布する物質を言います。肥料は、大きく有機質肥料と無機質肥料分けられます。一般的に原料が動植物に由来する物を有機質肥料、化学合成でつくられたものを無機質肥料としています。 【肥料の種類】 <有機質肥料>
植物や動物などの天然素材を原料にした肥料で肥料成分は、そのままでは根に吸収する事は出来ません。土の中の微生物の力で有機質が発酵分解して無機質になり始めて吸収されます。ゆっくり効いて効果が持続し、微量要素が含まれていることが特徴です。 石灰質肥料…貝殻などを乾燥・粉砕したもので、天然物です。他に苦土石灰,消石灰,炭酸カルシウムなどがあり、カルシウムを含んでいます。単独では土壌の酸度調整に使用できます。
有機配合肥料…数種類の肥料を混合してお互いの欠点を補い、長所を生かしたものを配合肥料といいます。遅効性なので元肥にも追肥にも広く利用できます。 <無機質肥料>
無機物を原料として化学合成でつくられた肥料で手が汚れない、臭気がない、すぐに効果が現れるなどの特徴があります。 ・化成肥料…硫黄(N)尿素(N)過リン酸石灰(P)硫酸カリ(K)などの成分を含む単肥を数種類混合した物を化成肥料といい、成分比や剤型はさまざまです。
・固形タイプ…速効性化成肥料,緩効性化成肥料
・液体タイプ…水で薄めるもの,希釈したもの,スプレータイプ,スティックタイプ 【肥料使用例】 元肥…植物の根付ける前にあらかじめ土に施す肥料(長期間効果)
追肥…植物の根付け後、成長に応じて追加して施す肥料(速効性)
置肥…鉢土の表面に置く肥料で、水やりの都度ゆっくり溶けて効果が出る肥料です。
お礼肥料…花が終わった後や、果実を収穫した後、体力を消耗した植物に施す肥料(速効性)
寒肥…冬に成長が停止している時に、春に向けて庭木などに施す肥料 【その他】 肥料にも多種多様な製品があり、種類別、タイプ別に特徴と効き方をよく知ってご使用下さい。